闇金業者からの借金は、債務整理できるのでしょうか？
気になりますよね。
では、参りましょう。
闇金業者の借金は債務整理ができますか？
結論から先にお伝えします。
闇金業者から借金をした場合、債務整理は難しいと考えたほうがよいでしょう。
闇金業者は、法律を守らない業者だからです。
通常知人同士でお金の貸し借りをする程度では問題ありません。
しかし、事業として継続的に資金を貸し付ける場合には貸金業者として届出や登録をしなければならないことが法律で定められています。
また、これらの手続きは規模の大小に関わらず必要なものです。
ところが、このように法律で定められているにも関わらず、闇金業者は届出や登録をすることなく貸金業を行っています。
そう、闇金業者は、世間のルールを完全無視。
当然のことながら、闇金業者はこうした法律が存在するのを知りながら、違法な営業を続けているため、法令順守の意識も極めて低いといえます。
そもそも闇金業者は元金を回収するつもりはなく、債務者が利息を支払い続け、そこから利益を得るのを目的としています。
このため、債務整理に協力しようという姿勢は望めないと考えたほうがよいでしょう。
闇金業者に債務整理の交渉をすることのデメリット
通常、債務整理をする場合には家族や職場を十分配慮して手続きを進めなくてはなりません。
ところが債権者の中に1社でも闇金業者が存在する場合、手続きは大変困難になります。
闇金業者と無闇に債務整理の交渉をすると、債務者の職場やあるいは家族のもとを訪れ、嫌がらせをはじめとした、悪質な取立てを受けることもあります。
また、闇金業者の中には、余剰の資金を融通していたらいつの間にか商売になってしまったといったような業者も存在します。
このような場合、極限られた範囲で貸付を行っており、業者自身が法律の知識に乏しいので、「信頼して金を貸していたのに裏切られた」といったような感情的な理由で、交渉が進まないということも考えられます。
闇金業者の借金が債務整理困難なときにはどうする？
闇金業者はそもそも違法な営業を行っています。
つまり、闇金との契約は、そもそも契約自体が無効と言えます。
このため、闇金業者とは債務整理ではなくこの点を中心に交渉することが求められます。
闇金業者から借金をした場合、高利貸しなど、違法となる契約内容が含まれている場合には、たとえ債務整理が困難でも、債務整理をするまでもなく、法律上の支払い義務が自体が生じていないことになります。
ところが、闇金業者の多くは、違法であることを承知の上で貸付けを行っていることがほとんどです。
つまり、いくら法律論を盾にしたところで、取立てを止める可能性は低いといえるでしょう。
そこで、闇金業者からの取立てから免れる方法には以下のようなものが考えられます。
警察に相談する
闇金業者からの借金が債務整理も困難で、取立ても常軌を逸していて、精神的にも大きな負担となるような場合は、まず警察へ相談することを検討しましょう。
一度闇金業者に自宅や職場、電話番号などを知られてしまうと、執拗な取立てや催促に遭うことになります。
そうなるとなかなか個人で対処するのは難しくなります。
そんなとき、警察が介入することで取立てを控えるようになる闇金業者もあります。
ただし、警察には「民事不介入の原則」というものが存在します。
このため、警察は明らかな事件性がないと積極的に協力してくれないこともあることを知っておきましょう。
弁護士や司法書士に相談する
警察に相談しても介入に消極的な場合には、こうした闇金業者とのトラブルに強い弁護士に相談するのがおすすめです。
こうした弁護士に心当たりがない場合には、インターネットで検索してみるとよいでしょう。
弁護士を依頼したら、まず弁護士を通じて、受任通知を闇金業者に対して送付します。
これは、債務整理の依頼を弁護士にしたことを闇金業者に通知するものです。
闇金業者の中には、これだけで債権をを放棄する業者も少なくありません。
また、弁護士に依頼するのであれば、「即日調停」によって解決する方法もあります。
これは東京簡易裁判所などで先着3名までに行われている特定調停で、申立書類を提出したその日のうちに、1回目の調停を行うことができるものです。
こうした迅速で直接的な方法によって、闇金業者は手を引くことも少なくありません。
まとめ
闇金業者からの借金は、債務整理することが困難ですが、そもそも返済の義務が生じていない場合があります。
しかしながら、闇金業者対策としてもっとも大切なのは、闇金のような違法な業者から借金をしないことです。
借金自体をしなければ、トラブルに巻き込まれたり、執拗な取立てに遭うこともありません。
ただし、万が一闇金業者から借金をしてしまったら、適切に専門家の力を借りることが大切です。
