「任意整理をして給料が差し押さえられることはあるのか」
「任意整理をしたら、強制執行による差し押さえは停止できるのか」
そんな疑問から、任意整理をするか悩んでいるかたもいることでしょう。
そこで、ここでは、任意整理と差し押さえについて解説します。
債務整理を検討しているかたは、ぜひ記事を読んでみてくださいね。
では、まず、任意整理について見てみましょう。
任意整理は”債務整理”の種類のひとつ
債務整理には、4つの方法があります。
その中のひとつが、任意整理です。
任意整理は、家や車などの財産を残したままできる債務整理の方法です。
一般的には、任意整理は弁護士や司法書士などの専門家に依頼して行います。
この任意整理をしても、借金自体はなくなりません。
ただし、弁護士や司法書士などの専門家は依頼者の「返済できる金額」を確認した上で、債権者と和解交渉をしてくれます。
それにより、
・借金の全体額を減らす
・月々の返済額を減らす
・過払い金が発生していれば差し引きしてもらう
・金利がなくなり元本だけの返済になる
などの措置が取られることとなります。
自己破産とは違い、任意整理では、財産の差し押さえは行われません。
そのため財産を残したまま返済額だけを減らすことが可能となるのです。
任意整理と強制執行による差し押さえ
長期間借金の滞納をしたり、話し合いに応じなかったりする場合、貸金業者や債権者は、
「強制執行による差し押さえ」
をしてくることがあります。
債権者が、債務者の財産をおさえ、それを借金の返済に充てるのです。
この滞納の期間の目安は一般的には「3ヶ月」といわれています。
差し押さえの対象となるのは、
・給料
・車
・土地
・家
・銀行預金
となります。
土地や家、銀行資産がない場合は、給料が対象となるでしょう。
その場合、「給料の4分の1」の金額が、債権者により差し押さえられます。
しかし、いきなり給料が差し押さえられるということはありません。
まず、事前に、差し押さえを前提とした裁判を起こされるからです。
そして、裁判で和解が成立すれば差し押さえまでには発展しません。
ただし債権者に職場が知られている状態で、
・長期間滞納する
・裁判を起こされる
・裁判を無視する
と、強制執行により差し押さえとなってしまいます。
なお、自己破産や個人再生など、他の債務整理では強制執行を止めることが可能です。
ところが、任意整理だけは、強制執行を止めることができません。
もちろん弁護士や司法書士などの専門家から、差し押さえを取り下げてもらうようにお願いしてもらうことはできます。
しかし、どうするかは債権者の判断に委ねられてしまいます。
強制執行による給料差し押さえを回避するための方法
借金がある上に給料の差し押さえをされてしまうと、生活が厳しくなることも考えられますよね。
そこで、強制執行による差し押さえを回避するために、以下のことに注意しましょう。
借金を滞納しない
借金があっても、契約どおり返済していれば、ほぼ差し押さえの対象とはなりません。
そこで、借金は決められた期日までにきちんと返済しましょう。
また、債権者から連絡があったら、無視せず対応することも大切です。
返済が厳しくなったら、早めに債務整理をする
債権者が差し押さえをしようとする場合は、必ず裁判があります。
そこで、返済が厳しくなったら、裁判を起こされる前に債務整理の手続きを開始しましょう。
裁判を起こされ場合は、放置しない
届いた訴状を無視しても、裁判は行われます。
裁判に欠席すると、訴えられた側には反論がないものとして、判決が下されてしまいます。
ここで判決が確定すると、債権者は、強制執行による差し押さえが可能となります。
そのため、訴状が届いたら放置せず、きちんと対応しましょう。
まとめ
任意整理は、借金問題の解決手段としては、効果的な方法です。
月々の返済額を軽減し、家などを残したままで借金完済を目指すことができます。
ただし任意整理では、強制執行による差し押さえを停止することができません。
借金を抱えていることを家族に伏せている人もいることでしょう。
その場合、思うように手続きがしづらいかもしれません。
しかし借金問題は、放置すると状況が悪くなりがちなものです。
もし任意整理を考えているのなら、借金を滞納する前に手続きを開始しましょう。
自治体や弁護士会などでは無料で債務整理に対する相談を受けています。
また弁護士事務所、司法書士事務所などでも、同様の相談を無料で受けていることがあります。
不安な部分については専門家に確認しながら、早めに対応することをおすすめします。
ライタープロフィール
ペンネーム:さくら
年齢:43
性別:女性
プロフィール:実際に任意整理を経験した際に調べたことや、弁護士さんから伺った内容を記事にしています。