【任意整理】弁護士への依頼から和解契約締結までの流れを解説 | 借金救済センター

任意整理の流れ!弁護士への依頼から和解契約締結までを解説

任意整理の流れ

任意整理を決断した時のアクション

任意整理をすると決めたら弁護士への依頼から和解契約締結までの流れを知っておいた方が良いでしょう。

弁護士・司法書士の違いと選び方

債務整理の代理人となれるのは、弁護士司法書士であることは周知の通りです。

しかし、職権の範囲が異なることに注意しましょう。
債務整理の方法には、4つの手段があります。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

司法書士の職権は、本来「公式書面作成ができる」のみに留まります。

整理したいクレジットカード・ローン各債務の総額が140万円を超える場合、司法書士に依頼することはできません。
加えて、後述する”任意整理できる条件”に当てはまらなかった場合は、自己破産・個人再生といった法的整理の手続きに進みます。

この場合も、司法書士が依頼主代理人として出廷することはできません。
一方、弁護士は全ての手続きにおいて「代理人」になれます。
債務額も問いません。
任意整理以外の方法を取る場合も、書面作成~裁判所出廷の全てを代行できます。
この違いは、法テラスを利用する場合に、特に注意が必要です。

法テラスによる相談費用建て替えは”同一案件について3回まで”と定められています。
司法書士に相談した後に自身で把握している金額以上の債務が見つかった場合、弁護士へと相談相手が変わります。
この過程で相談回数が3回を超えると、手間も費用も余分にかかってしまうことになります。
自身で把握している借金額が100万円を超える場合は、弁護士に相談するのが得策です。

任意整理も「条件」がある

任意整理には、以下のような数々のメリットがあります。

  • 不動産や車を手放さなくて済む
  • 官報に氏名住所情報を記載されない
  • 事故情報の登録期間が短く、生活に必要なクレジットカードを所有しておける

しかし、この手続きを行うのにも条件があります。
任意整理の趣旨は、「元金(もともと借りた金額)を確実に返せるように負担を軽減する」ことにあり、長期的に安定した収入がなければ認められません。
相談時点において不定期のアルバイトを繰り返している場合や、疾病があり失職する恐れがある場合、生活保護受給者については、任意整理は不可能です。

年金受給者も、生活費において年金以外の収入がない場合は、認められません。
また、完済までの期間は5~6年と定められています。
目安として、元金(もともと借りた額)を60か月以内で分割返済できない場合や、仮にできたとしても生活に著しい不自由が出ると判断された場合は、個人再生・自己破産などの法的整理へと移っていきます。

督促停止~和解交渉まで

受任通知の送付

早急に督促を止めたい場合は、各種ローン返済額・クレジットカード利用額・整理したい借金の総額を確認した上で、全てのローン契約書・カードを持参した状態で、弁護士事務所を訪問しましょう。

前述のいずれの債務整理方法を選択するにしろ、弁護士と合意した段階で当日中~1週間以内には受任通知が送られます。
これを送達した段階で、法の定めにより債権者は借主に督促行為をすることができなくなります。

法テラスを利用する場合について

受任通知の送付は、費用立て替え審査の時間を含めて2~3週間かかるのが一般的です。

しかし、弁護士が「法テラスの審査条件を確実に満たす」と判断した場合は、審査結果を待たずに送付します。
依頼費用を用意できなかったり、法テラス利用をするしかない状況の場合は、最新年度の所得証明書や生活保護受給証、給与明細もあわせて持ち込むと、督促停止を早められます。

取引明細の請求

弁護士が受任通知を送付する際、あわせて取引明細を弁護士宛に請求します。
これに対してクレジットカード・ローン会社は、保証会社の代位弁済(銀行などの所定の会社が、借主に変わって全額返済をすること)などを請求した上で、明細の準備を行います。

これには2~3ヶ月の時間を要します。
この間は借主に督促行為を行うことはありません。
また、任意整理ができるかどうかの判断も、取引明細が全て弁護士の元に届いた後になります。

どのような交渉をするのか

まずは「返済総額の確定」

弁護士は取引明細を受け取り、返済総額を計算します。

この計算が終わった段階で、債務整理の方法を弁護士と依頼主(借主)の間で相談します。
任意整理が可能であるかどうかは、まだここでは決まりません。
理由は後述しますが、この間に家計簿をつけるなどして、生活収支状況を正確に把握すると、手続きがスムーズに進みます。

返済能力の説明

次に弁護士は、依頼主の生活収支状況を詳細に聴取します。

光熱費・通信費・食費・家賃などの最低生活費とあわせて、毎月の収入・長期的に安定して勤められるかどうかの確認を行います。
ここで偽りの報告をすると、任意整理が可能であっても後々返済できなくなったり、あるいは任意整理ではなく自己破産や個人再生という手続きへと話が進む可能性があります。

疾病の有無や家庭環境・家族構成も含めて、できるだけ正確に報告する必要があります。
ここで「確定した債務総額を5~6年以内に完済できる」という客観的な説明ができて、はじめて任意整理へとステップを進めることができます。

利率の取り決め

弁護士が「依頼主が返済可能であること」を、クレジットカード・ローン会社に説明します。

ここで会社側の了解が得られてから、利率の取り決め・返済計画の交渉に入ります。
交渉の時間はまちまちで、1~3ヶ月かかります。
旧消費者金融系の会社であれば期間は短く、銀行系カードローンであれば長くなる傾向にあります。

交渉が長引くのは弁護士の腕の問題ではなく、もともと借りた会社や、その保証会社などが複雑に絡み合うためです。
この間は返済する必要はなく、弁護士からも生活の再建に力を入れるようにとの指導が入ります。

利率の取り決めについて

任意整理は「ローンの再契約」です。最初に借金をしたときの年率・遅延損害金を見直し、毎月の返済額を決めます。

代理人(弁護士)が介入した場合、年率は0%、つまり利息はつかないという契約になります。
問題となるのが遅延損害金ですが、0%~10%の範囲で取り決められます。

この決め方ですが、長期返済を希望する場合は利率が高くなりやすく、短期返済でも構わない状況であれば0%を勝ち取れる可能性もあります。
いずれにしても、任意整理が終わったときから滞りなく返済が続けば、余分な利息に苦しめられることはありません。

「和解契約書」を受理した後の注意点

返済日に遅れそうな時は

「和解契約書」が届いて、ようやく任意整理は終わりを迎えます。
ここには以下の事柄が記載されています。

  • 総返済額
  • 毎月の約定日
  • 毎月の返済額
  • 期限の利益の喪失について
  • 代理人となった弁護士と、交渉にあたった債権者側の担当者の名前

問題となるのは、期限の利益を喪失する条件です。
これは言い換えると、「返済が何回滞ると、一括返済を請求する」といった内容になります。

一般的に2回の遅延で一括返済を求められ、担当弁護士を通しても借主と連絡が取れない場合は、訴訟へと移ります。

万が一返済に遅れそうな場合は、速やかに担当弁護士に相談するか、和解契約書記載のローン会社担当者に連絡を取る必要があります。
任意整理後は返済遅延の際の取り立てが厳しくなるので、和解契約書の返済日に遅れそうな場合は、誠実に状況を話して遅れを認めてもらうのが肝要です。

任意整理は何回でも行えるのか

任意整理後は返済期間が5~6年と長くなるケースが多く、この間にイベントが起こって毎月の返済額を捻出できなくなる場合も考えられます。

こういった場合、債務整理という手段は一度のみならず、再度とることができます。
ただし、任意整理は2回までしか認められないですし、2度目はないと判断する会社がほとんどです。

弁護士側でも交渉するための手段に事欠いてしまうため、自己破産・個人再生などの方法を勧めることが大半でしょう。
結婚や介護などのイベントが完済までの期間までに起こりそうな場合、それも含めて最初に相談しておく必要があります。

債務整理で裁判所を通す場合は、「生活を切り詰めることができる最長の期間=3年」と考えられています。このことも念頭に置いた上で相談に臨むのが、最良の方法です。

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